S先生O先生とともに、学童保育協会の「学童保育士基礎資格認定講習会」に参加しました。
細井勇先生の「社会福祉論」は、大学の講義さながらのアカデミックなもの。
「社会福祉の目的は何か。幸福か、正しさか、自由か、正義の実現か、平等の実現か、安寧と秩序か」
日常では出会わない硬質な言葉が美しく、日曜日午前の静かな教室で先生の思考を追いながら、日々の活動で忘れている理論の世界を意識しました。
「静寂の世界を打ち破る音楽のように、思考から日常的経験を超えた世界が始まる」
一部しか理解できなくても、そこにある思考の世界をかいま見、学童保育の持つセーフティネット的役割についても考える機会になりました。
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午後の講義は、稲富憲朗先生の「児童福祉論」。
1980年代の乳児院・児童養護施設の映像と、2010年の児童養護施設の映像を見て、養護の内容と質の違いを考えていきます。映像からは、子どもたちの行動だけでなく感情の揺れや行動にいたる背景も伺うことができますが、現場にいれば、それらをきちんと受け止め反応することは難しいだろう、と思わされます。経験やふりかえりを重ねることで、見えなかったものが見えるようになり、感じなかったことが感じられるようになり、適切な関わりができるようになるのかもしれませんが、それでも、すべて違う人間に対し常に過不足なく対応できるということはないでしょう。
「援助実践者は、ある意味創っては壊し、創っては壊しの作業を繰り返しながら、子どもたちが新しい人生の物語を作り上げる作業に参加しているのかもしれません」
お子さんに関わり続けることの難しさと、それでも関わろうとしている方々に出会えたことが、今日の研修のいちばんの成果かもしれません。大人になり身体の衰えを自覚する今でも、気持ちは少しでも成長し前進していると思える自分でありたいなあと思いました。
(H)